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2019年4月26日 (金)

無縁化する日本

<広がる社会問題 無縁化する日本の実態を垣間見る>

国立社会保障・人口問題研究所は、2040年までの世帯数の将来推計を公表した。

2040年には世帯主75歳以上世帯が1217万世帯、全体の4分の1を占める。その中で独り暮らし世帯も500万人を超える。国として社会保障や生活インフラを変革することを迫る数字である。しかし、この数字をマクロトレンドとして捉えているだけでは、社会問題として捉える事はできない。この実態を目の当たりして最初に思い浮かんだことは、独居老人が一人で暮らす不安から、一人で死を迎える不安に変わっていくのではないかということだ。平成から令和へと元号は変わる中、この社会問題は深刻だ。

NHKの取材によると、2017年の無縁死(誰にも看取られず1人亡くなる人)の数は約3万2千人。その多くは、単身者である。更に3万2千人の無縁死のうち、身元不明者は1,000人近くあったという。身元不明の遺体については、警察、自治体が調査してもその身元が掴めない。その結果、こういった無縁死を遂げた亡骸は「行旅死亡人」と呼ばれる事を知った。私達が気づかないうちに広がっていた無縁死は、これからも広がる可能性が高い。どうしたらこれをくい止める事ができるのか。国の社会保障やインフラ整備を待っている間にも、無縁死は確実に増えていく。

「行旅死亡人」は、行政が日々官報に報じていくが、行方不明者の捜索でもしていない限り、官報を気にかける人はほぼいない。一方、無縁死によって亡くなった方の身元がわかったとしても、兄弟や親戚が遺骨を引き取ることを拒むケースが少なくない。

それを証明するかのように、特に都市部では、特殊清掃業者の仕事が増えている。特殊清掃業者は無縁死した人の屋内清掃、送骨(遺骨を合同供養してくれる寺へ送ること)等を引き受けている。特殊清掃業者への依頼主は、行政や、無縁死した家族・親戚縁者である。

無縁死の問題の本質は、無縁社会に生きている1人ひとりの生き方の問題でもある。その原因を探っていくと、家族や、会社とのつながりを無くし、孤立する人々の姿が浮き上がってくる。都会に出たまま故郷に戻れずに、無縁死するケースや、無縁死した後、兄弟などが遺骨を引き取り埋葬する余裕がなく、遺体を医大に献体するケースがあることなどがNHKの取材記録に残されていた。

その一方で、頼れる家族がいない人達があるNPOに殺到している。一人で死を迎えることに不安を抱える人達である。家族に代わり、亡くなった後のことを整理してもらうために、自分の死亡時、死亡後の埋葬等を含め、どのように対処してもらえるかに関する生前契約を行う。生活に余裕がある人であっても、不安を感じて契約する人が多くいるそうだ。ある地域にあるNPOでは既に5千人近くの契約者がおり、最近は50代の契約希望者もでてきているという。

これ以外にも、合同墓地の生前契約もある。他の例では、孤独死を嫌い60代から有料介護施設に入居する人もいる。どのケースもその本質は、一人で死を迎える事への不安と寂しさがあらわれている。

あらためて、老後の不安は、一人で暮らす不安から、一人で死を迎える不安に変わってきた。

この問題を根本から解決することは難しい。しかし、まずこのような実態があると知ることからはじめる事が社会問題を我がこととして認識する上では重要だ。無縁死、否、無縁社会を許す国であって良いのか?もっと自分たちにできることはないか。誇れる国と人生にするために考え行動を起こせば、無縁社会は変える事ができると信じたい。

Reiwa1.0

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